楽しい塾の作り方について

管理人の自己紹介

はじめまして。

楽しい塾の作り方の管理人兼、現在個人で学習塾を経営している“りきち”と申します。

このブログは私の学習塾生活を通じて、これから自分で学習塾を開こうとしている人や、すでに学習塾を経営している人のヒントになればいいなと思いはじめました。

こんなブログに来て頂いたのも何かの縁です、せっかくなので簡単に自己紹介させてください。

いい?ありがとう。あなたいい人ね。

私は昭和のラストスパート世代です。カレンダーを見たらアラサーを通過してました。忍び寄るアラフォーという言葉におびえるおっさんヤングマンです。

小中高と公立学校でのほほんと過ごし、大学は教育系の学部でもなんでもないその辺の私立大学へGO。

そして大学のときに学習塾講師のアルバイトをはじめ、学習塾の仕事の楽しさを知りました。

これ天職かもしれねぇ、と思い込む小生。今思うと若気の至りって怖いです。アルバイトの勢いそのままに新卒後も学習塾の会社へ。

やる気十分で入社!やってやるぞ!

うん、2年ちょいで退職(察してください)。組織の図体でかいと無駄が多い。

でも学習塾の仕事は好き。

んじゃもう自分でやるしかないわと、地元に帰って個人事業主として学習塾を開業。

もう毎日が楽しくてしかたない。開業して10年以上経ちますが、未だにエンジョイエブリデイです。ついでに妻子といっしょにハッピーライフです。

外車や豪邸だといった大金持ちでは全っ然ないですが、そんなに物欲がないせいか多少余裕のある生活はしています。

世間の基準がわかりませんけど、幸せだからこれでいいの。たるをしるの。

自分で学習塾を開こうと思っている人、開いたはいいものの軌道に乗っていない人、意外といるんじゃないでしょうか。しかし、何をどうしたらいいかわからない。

そんな人達に微力ながらも力になれればいいなと思います。

書いてある記事は私の考えや経験談です。全てがあなたにとって正しいとは限りません。

私はあなたではなく、あなたは私ではありません。人それぞれとらえ方や考え方があります。これは使えそう、これはちがうと思う、取捨選択をしてくださいね。

その点ご承知おきくださいまし。

独立して学習塾、楽しいですよ

くり返しになりますが、私は学習塾を開業する前は、学習塾に勤務する普通のサラリーマンでした。今でこそ、“学習塾業界はブラックだ!”と言われていますが、当時の私はそんな自覚はなく…(笑)。そんなもんかと思ってました。でも、仕事自体は嫌いではなかったです。上司(エリア長)も理解ある方でした。

それでも、苦手なことはありました。

これ意味あんのかなと思いながら決められた書類や報告書を書き、これ意味あんのかなと思いながら配られた書類を読み上げるだけの会議に出席する。特にわざわざ電車に乗ってまで行く会議は嫌で嫌で仕方なかった。

りきち
会議?音読会?こんなの読めばわかるっつーの!
この時間を教材研究に当てられればどれだけいいかとずっと思っていました。しかし、そんな裁量権はありません。また、時間を見て教材研究をしても指定されたテキストがメインになる。生徒の動線を考えて教室のレイアウトを提案しても結局そのまま。
積もりに積もってそれならいっそとなりました。

りきち
ごめんなさい上司!俺会社辞めて地元で自分の塾やります!
さすがの理解ある上司も怒るんじゃないかと思った。でも実際はちがった。思いの丈を伝えたら、
「そうか!がんばれ!お前なら何やってもうまくいくよ!」
もちろん本心はわかりません。社交辞令かもしれないです。でも嬉しかったですね。生徒に対してもこれくらいの度量で接したいと思った瞬間でした。
そして、自分の学習塾を開業。なんやかんや(必死です!)で軌道に乗りました。
全てを自分で決めることができる。必要ないと判断したことはやらなくていい。必要と思えば誰に許可をとることなく即座に実行できる。これもう楽しくってしかたないですよ。
報告書書かなきゃとか会議面倒くさいなとか、そんなこと考えなくていい。自分の学習塾をよりよくするためにどうしたらいいか、毎日そのことばかり考えています。わくわくが止まりません。
雇われている会社のためではなく、自分で開いた学習塾のためにがんばり、日々改良していく。墾田永年私財法でがんばる人が出てきたのが今ならわかります。自分のものをよくしていけるのなら、人間喜んでがんばりますね。

適度に稼いでしっかり休む

自分が必要ないと判断したことはやらなくて済みますし、稟議などの余計なお伺いを立てることもなくなりました。そして、会社による月謝のピンハネ(失礼)もなくなったのです。その結果、

労働時間は2分の1になり、手元に残るお金は3倍近くになりました。仕事の原理も真っ青ですね。

りきち
サラリーマン時代、電気代の支払いが危ないレベルの給料だったことは内緒だよ。

まぁ独立後も収入の大部分は奥さんに天引きされてますが、その残ったお金でもそれなりの稼ぎにはなっているのです。

やっぱり月謝の全てが自分に入ってくるというのは大きい。学習塾に勤めていたときの「月謝×生徒数」の合計を「もらっていた給料」と比較してみて、衝撃を受けた記憶があります。割合出してみようぜ割合。くもわ。

大きい塾としての生活の保障や、教室や備品を用意してくれたから仕方ないと言えばそれまでですけど。でも永遠にピンハネされ続けるのは何か嫌ですよ。

学習塾は人と人との仕事。いわばサービス業です。それで独立しても何千万、何億と稼ぐのは無茶でしょう。学習塾でそれだけ稼げるスーパーマンならば他の業種ならもっと稼げます。

しかし、生活に多少の余裕ができるくらいの収入は得ることができています。

日々の買い物で、必要以上に値段を気にすることがなくなりました。

タクシーやグリーン車、特急列車に乗ることができ、快適さや時間をお金で買えるようになりました。

軽自動車でがんばっていたのが、ちょっとだけ高い自動車(国産車ですけど)を買うことができました。

アマゾンや楽天で、欲しいと思ったものを我慢することがなくなりました。

一言で言えば、お金に関してストレスを感じることが減ったのです。

自営業はサラリーマンのように、決められた勤務時間に仕事をして、その時間分の給料をもらうわけではないのです。誰も自分の給料を用意してくれません。

そのため独立して自営業になると、“仕事=利益につながること” という意識を持つようになります。くり返しになりますが、独立後は全てが自分の裁量。自分が意味がないと判断したことはしなくてもよいのです。

そして私も、自分なりに徹底的に効率化を図りました。他から見て無駄があるように見えても、私はこれがいい。誰も口を出してこない。

人間、楽をするためならどんな努力もするもんです。

もちろん、教材の研究などで長く働くこともあります。しかし、それは雇われている会社のためではなく、自分が作った学習塾のため。別に苦ではありません。今後につながる仕事ですからね。

結局独立後、私の労働時間は大幅に減りました。

午前中の方が勢いがあるので、朝は普通に起きて授業の支度します。でも、日中は昼寝や映画を見てリフレッシュもできます。そして夕方シャワー浴びてから授業と。仕事柄終業時刻は遅い代わりに、朝にゆっくり子どもと過ごせます。休日も、土日祝日はもちろん休みます。お盆や年末年始、GWはもちろん、テストなどがない時期の平日に連休も作って旅行へ出発。

学習塾で大金持ちはごりごりやらんと無理ですよ。でも、適度に稼げるんです。授業がある日も、やること終わればリフレッシュタイム。休むときはしっかり休む。自分で決められるのは、本当に大きいです。

特別な能力や高い目標はいらない、いるのは覚悟

学習塾の経営には、特別な能力は必要ありません。私?別に特別な能力何もないです。履歴書に書ける資格は普通免許くらいですよ。

りきち
あと英検3級でございます。

もちろん、経営に関する知識は多少勉強はしました。それでも最終的には本屋さんにある本をぱらっと見ただけです。いろいろ勉強してから学習塾を開業しようかと考えてはいたものの、経営に関する本を読んでみてこう思うんですね。

りきち
全っ然イメージわかない!本読んでもわけわからんから、もうやりながら考えるわ!

そんで開業して、現在に至ります。でも正直なんとかなってます。問題集を解いてわからなければ教科書で調べるのといっしょで、やりながら覚えるのが一番なんですよ。結局。学習塾を開く前に読もうとしていた本はそのままお蔵入り。わからなきゃネットで調べればいいのです。便利な世の中ですわ。なんとかするしかない状態になれば、人間なんとかするものです。

また、学習塾で日本の教育を変える!などの高尚な目標もいらないです(そういう目標持っている方ごめんなさい)。そういう目標をかなえたい人は、それこそ特別な能力が必要でしょう。

でも結局、私が学習塾をやってて思うのは、

“目の前の生徒に全力を尽くす”

日々それの連続だということ。

どんなに立派な教室を作っても、どんなに高い目標を掲げても、学習塾の役目はどこも同じ。“目の前の生徒に全力を尽くす”こと。泥臭いですけどね。私はそれが根幹だと思います。

学習塾で日本の教育を変える!素晴らしいですね。ぜひやってもらいたい。でも、それで目の前の生徒を蔑ろにしていては学習塾失格です。目の前の生徒一人変えることがままならないのに、日本の教育を変えることなんてできんでしょう。

学習塾の経営に、難しいことは何もありません。わからなくなったら調べて十分に対処できます。思い切ってやってみるかどうか、発生した問題を直視できるかどうか。大切なのはそこです。そして、自分なんかを頼ってきてくれた、目の前の生徒に全力を尽くしましょう。

能力や目標より、必要なのは覚悟だと思います。

んま、おそらくどの仕事もそうですけどね。

学習塾開業の手引き

開業に必要な資金

開業すべき場所

必要な届け出

広告の出し方

ホームページは必ずプロに頼む

学習塾を開業するにあたり、ホームページは必ず作りましょう。誰がなんと言おうと絶対です。他を削ってでも絶っっっっっ対作りなさい。

このご時世にホームページ無しで学習塾を開業するのは、ラケットを持たずにテニスの試合に参加するようなもの。

君、何しにきたの?試合をなめてるの?と、一瞬で退場させられます。実際、経営が傾いている学習塾はホームページを軽んじていることが多い。ずっと更新していないとか、素人がやっつけ仕事で作ったようなホームページとか。

今の世の中は、気になったことはまずインターネットで調べる時代です。学習塾も例外ではありません。口コミやチラシで塾を知り、インターネットで情報を得て、その情報を元に他塾と比較検討し、その後に塾に問いあわせるのです。

保護者
今どきホームページもない塾…大丈夫かしら。

ホームページがない段階で比較検討の選択肢から外されます。そりゃそうです、そもそも検討の元になる情報が手に入らないですから。例えば家の近くの学習塾を想像してみてください。ホームページを見ずに、その学習塾がどんな塾なのかを説明できます?できないでしょ?保護者の感覚も似たようなもんです。むしろもっと疎いですよ。

学習塾という閉鎖的な空間から、外部に情報を発信する。そのためのツールがホームページなのです。そこから素晴らしい理念もパーフェクトな指導も伝えていけばいいのです。

ほとんどの保護者は、あなた自身よりも先にホームページを見ます。ホームページはいわば、あなたの学習塾の顔です。

確かに私達のような素人でも、インターネットで調べ調べ作ればそれなりのホームページを作ることはできるでしょう。しかし、どうしても見映えがよろしくなりません。しかも、検索にも弱い。その上、作成に膨大な時間がかかります。その時間で教材の研究とかした方がいいです。

私も最初はがんばって自分で作ったんです。が、どうにもうまくいかず結局プロに依頼しました。

自分でホームページを作るのはコストパフォーマンスが悪すぎるのです。プロに頼むのが賢明です。

私の学習塾では“ホームページが可愛くて気になった”という問いあわせもあります。小中学生もホームページを見るという視点も忘れてはいけませんね。

自分一人が基本、教室拡大しすぎない

私は今も一つの教室で、私が一人で学習塾をやっています。入りきらない子はごめんね状態。手前味噌ですが結構断っています。どやぁ。

なので、

『人を雇って、教室を広げてもっと生徒を入塾させればいいじゃん。』

と周りから言われ続けています。でも、私は今以上に教室を広げるつもりはありません。理由は単純で、

目が届かなくなると、責任持って指導しきれなくなるからです。

確かに例えば人を雇って、今断っている生徒を全て入塾させることができれば、収入は跳ね上がります。しかし、私の技量では確実に学習塾としてのクオリティは下がるでしょう。

私が指導するのでなければ、私の塾である必要はない。

正直そう思います。

私の塾では、生徒がしっかり理解しているか、問題を生徒に解いてもらって全員私が確認していきます。少しでもあやしければ改めて説明、そして確認。問題が解けるまで授業は終わりません。それができるぎりぎりの生徒数が今の生徒数なのです。

これ以上生徒が増えたら、私が直接見ない生徒が出てきかねません。新しく教室長を雇って、離れた場所に新しく教室を開業しても同じで、私の目は届きません。お金もらって子どもを預かっているのに、そんな怖いことはできないです。

というか、それで回るなら私はいなくていいことになってしまいます。…えっ?

学習塾は人と人の仕事、人が変わればもはや別の学習塾になります。コンビニのように、どこでも安心同じ味のおにぎりというわけにはいかないのです。

自分の学習塾を経営する上で利益追求は重要ですが、満足度を低下させては確実に生徒は離れていきます。

保護者
あの塾、教室が増えたら全然しっかり見てもらえなくなったわ…

なんて噂になった日には、失った信用を取り戻すことはもはや不可能です。やっぱり教室拡大なかったことにするといっても、広げた風呂敷たたむのも大変ですよ。

教室1つでもそれなりの収入になります。収入を上げるために教室拡大をするなら、生徒数を変えずに単価を上げる方がいい。それに大きい組織になると、フットワークも鈍くなりますからね。

現在学習塾で働かれている方へ

学習塾業界のブラック化が叫ばれる昨今、現在あなたが働いている学習塾はどうでしょうか。ワークライフバランス、いい言葉ですねぇ。職場環境は改善してきていますか。

基本的に学習塾で働く人は、他の人ために何かをしてあげたいタイプが多いです。それ自体は素晴らしいこと。一応私もそうですし。たぶん塾講師みんなそうでしょう。

しかしそれを逆手に、“生徒のために”とあなたを働かせる雇用主。それでも“生徒のために”ならと自分を奮い立たせるあなた。そして始まる長時間労働や休日出勤。これがブラック化の根幹だと思います。

りきち
定時帰り…残業代…連休…旅行…(夢物語)
“生徒のために”の言葉でこれら全部をなしにするってすごいですよね。

“生徒のために”という言葉は、雇用主があなたを働かせる口実でもなければ、あなたが自分の身にむち打つための大義名分でもない。生徒のためにある言葉です。しかし、それが全ての免罪符になっているのが現実です。

さらに学習塾業界は全く異質な業界。学習塾の勤務経験は転職で評価されることは少ないです。不満はあるけれど、とりあえず生活できるし…と毎日を過ごしていませんか。

学習塾を経営している立場から言います。

自分の学習塾として独立すれば、完全に自分の裁量で仕事ができ、適度な稼ぎとしっかりした休みが手に入るようになります。そして何より楽しい。

自分を犠牲にする人間が、どうして他の人を大切にできるでしょうか。疲れた顔しながら生徒と接して、何を与えられますか。我々学習塾側の大人が楽しく働く姿を見せる、それが一番生徒のためになると思います。

もちろん、独立をすれば全ての責任は自分でとることになります。しかしそれは全て自分が決めたことの責任。他の人間のくだらないミスや、誰が決めたのかも不明なことに対して責任をとることは一切なくなるのです。

そして日々の努力が、自分と自分の塾の成長のための努力に変わります。雇われている会社のための努力ではなく、自分自身のためのより価値ある努力に変わるのです。

現状に満足していない方、自分の学習塾を開くことをおすすめします。

学習塾を開いた立場の人に聞けばみんなこう言います。

りきち
やるかどうかですよ。

「案ずるより産むが易し」。まさにその通りですよ。