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生徒の保護者の顔、全員わかりますか?
ちょっと考えて見てください。今あなたの学習塾に来ている生徒の顔、全員頭に浮かびますか?
もちろん浮かびますね?よね?その前提でいきますよ。
では、
その生徒ひとりひとりの保護者の顔、全員覚えていますか?
言うまでもなく、生徒と保護者がいっしょに教室にきたときであればすぐにわかります。並んでいれば親子ですし。
問題は、街中で保護者だけと出会ったときに誰の保護者かすぐに判断出来るかどうか。
我々は夕方から夜にかけて授業を行います。なので、基本的に外での行動は日中。真っ昼間。闇夜に紛れて行動なんてできません。
まぁ、そもそも夜だってお店とか入れば普通に顔は見えます。
どうしてもどこかで見たような顔が目に入れば、人間1秒2秒は見てしまうもの。そこで目があったら逃げるわけにはいかんでしょう。
保護者の方もいろいろな方がいて、専業の人もいれば平日休みの人もいる、休み時間中の人もいれば仕事中の人もいます。
もう誰とどこで会ったって不思議じゃないんですよ。
別に保護者の側が我々の顔を覚えていないのはいいんです。我々はお店の側ですから。“○○さんの塾の講師です~。”とか名乗ればいい。
しかし、保護者(特にお母さん方)はよく我々の顔を覚えてくださるのです。すっごいです。我が子を預ける相手ですから当たり前っちゃ当たり前ですけども。
なので、こちらがお客である保護者の顔を覚えていないと何とも言えない空気感になってしまいます。
会話の単語を拾い、頭の中の検索エンジン全力でも、相手にはバレバレです。優しい方なら“○○の母です”と言ってくれますが、あまり印象がよくないですよね。こちらが覚えているに越したことはありません。
相手のことを覚えていればコミュニケーションもスムーズ。信頼関係も早く築けます。保護者との信頼関係が築ければ、退塾する生徒数も減ってきます。
生徒の事に関して遠慮なく話せる間柄の方が指導もしやすいですよ。
もちろん保護者の方の下の名前を覚える必要はありませんが、顔を見たときに “○○(生徒名)さんのお父さんお母さん” あるいは名字で “○○さん” 判断して呼べるようにしたいです。
面談や初回挨拶のときが最初で最後のチャンス。
保護者の顔を覚えると言っても、我々が保護者の方と顔を合わせる時間は非常に限られています。だって普段の相手は生徒だけですもの。
基本的に保護者とのやりとりは電話かメールですし、送迎の際も全員の顔を見ている時間はない。
我々が保護者の顔を覚えるチャンスは、初回の挨拶か面談のときしかありません。
とにかく初対面のときに特徴的な情報をしたためましょう。生徒に普段英単語を覚えろっていうんですから、がんばりますよ。
“背が高い”
“○○さんとよく似ている”
“茶髪”
“丸い赤枠のめがね”
“とてもよくしゃべる”
などなど…
見られるとアレなメモの場合は、スマホのメモ帳にでも入れて原本はシュレッダーかけましょう(笑)。
私の知り合いの先生には、初回面談の際に記念写真を撮る方もいます。そして卒業のときにも写真を撮ってプレゼントして、子どもの成長ぶりがわかるようにしてあげるという寸法。評判は上々らしいです。本人曰く、図らずも保護者の顔を覚えるのに一役買っているとのこと。
カメラが趣味の先生ですからできる芸当なのかもしれませんけど、面白い試みですよね。
商売を繁盛させるためには、限られたチャンスを必ずものにしなければなりません。帰って復習するなりして、保護者の顔を頑張って覚えてください。
何気ないときでも、通っている家庭の満足度をあげることは非常に重要。
少ししか関わりのない人が、実はあなたの顔と名前を覚えてくれていた。こんな経験、誰しもあると思います。隣のクラスの担任の先生とか。
なんとなく嬉しいですよね。少なくとも嫌な気はしません。
人間最大の関心事は常に自分。誰だって、自分に興味関心を持ってもらえると嬉しいんですよ。
誰かと接して嬉しい気持ちになれば、その人のためになることをしてあげたくなるのが人情というもの。それが口コミに変わる。
反対に、一度は顔を合わせたのに軽く扱われてしまっては、保護者はどう感じるでしょうか。
もちろん、口コミどうこうは生徒の成績をあげている前提での話です。成績が変わらないのでは広がる評判も何もないし。
でも、成績をあげるだけで口コミが一気に広がるかというと案外とそうでもないんです。そのために保護者の満足度をあげ、成績があがったことを他の人に話したくなるようにしなければならない。
振り切った言い方すれば、あなたのファンになってもらえばいいんです。
あまり顔を合わせない人間のために動いてくれる人は多くありません。
しかし、偶然の機会であれ少しでも接する回数が増えれば、印象もかわっていくものです。
そしてさらに、
親であれば、我が子の成長は嬉しいものです。自分のことより嬉しいかもしれません。その成長ぶりを言葉にして伝えるのです。
わかっていることでも、改めて言葉にして言われると嬉しいですよね。あなたの学習塾に通っているから成長したのだと実感できます。
また面談のときではなく、何気なく出会ったときに成長ぶりを話すというのがいいんです。
面談は事前にいくらでも準備ができますが、ばったり会ったときはそうはいきません。そんなときでも生徒の成長ぶりをサラッと目の前の保護者言える。
それが何より、普段から生徒ひとりひとりをしっかりと見ている証拠になります。
入塾直後で成績がこれからあがると言う場合は、教室の様子でもいい。
保護者は学習塾にお金を払っている立場。そのお金で塾へ通っている我が子がどうしているのか、親からすれば気になって仕方ないのです。
信頼関係も満足度もこつこつ積み重ねが大事です。生徒ひとりひとりにカルテみたいなものを作って話題をストックしておいてもいいでしょう。
偶然街中で出会ったときも、○○さんの保護者と判断できて子どものことについてサッと話せる。
下手にチラシを打ったりSNSで集客を試みるより、先に通っている家庭と信頼関係を築きましょう。その方がチラシやSNSの効果も倍増します。
なぜなら、チラシやSNSは通っている家庭の目にも入るのです。それをきっかけに誰かに話してれるかもしれませんから。
未来のお客の保護者だけではなく、今いるお客の保護者にもしっかり目を向けていきたいです。
生徒が卒業した後も、会ったらちゃんと挨拶をする。
自虐でもなんでもなく、学習塾の先生というのは結構軽く見られがちなんです(…だよね?)。
学校の先生みたく朝から夕方までいっしょにいるわけでもありませんし、ホームルームや部活動もない学習塾では雑談もほとんどない。なんせ生徒と関わっている時間はほとんど全てが授業の時間ですから。
合格の発表はまず担任の先生へでしょうし、同窓会や成人式にも学習塾の先生が呼ばれることもありませんわ。
卒業後のつながりは年賀状のやりとりくらいです。
しかし生徒が卒業したとしても、各々の生活圏が変わることはあまりありません。中学生くらいの子を学習塾へ通わせる家庭であれば、マイホームに住んでいることが多いですし。卒業後も普通に近くのスーパーで保護者と遭遇します。
そしたらもちろんしっかり挨拶。向こうに時間があれば卒業した生徒の近況も聞いてみるといいでしょう。
単純にこちらの励みにもなります。
そして卒業した家庭からも、口コミが広がりやすいのです。結構みんな見落としがちですけど、卒業したということは途中で退塾せず、最後まで通い詰めてくれたわけですから。満足度は高いはずです。
もちろんその同級生は層から外れています。しかしその弟妹や近所の子は我々のターゲット層なことが多い。
しっかり挨拶をすることで、通っていた学習塾の事を思い出してもらうのです。頭の片隅にでも浮かんでてくれれば、誰かと会ったときに話題に出してもらえるかもしれませんよ。
打算的な話になってしまいましたが、口コミは人と人とのつながりから、また喜びから生まれるものです。
くり返しになりますが、自分の子どもの事を気にかけてくれるのは親として非常に嬉しいこと。授業という直接の関係がなくなった卒業後であればなおさらです。
学習塾は子どもの成長に関わる場所。相手のことを思いやるのは重要と学校でも習います。せっかく巡り会ったご縁ですから、大切にしていきたいですね。