自分の学習塾の生徒をなんて呼びますか。

学習塾に来てくれた生徒。呼び方どうしましょう?

想像してみてください。いよいよ学習塾を開業しました。幸運にも問いあわせがあり、生徒に授業をすることになりました。嬉しいですねぇ。

さぁ、生徒のことをなんて呼びますか?

何をそんな小さなことをと思うなかれ。生徒の呼び方は結構重要な問題なんです。

呼び方はその子と話すときの最初の言葉、生徒との信頼関係や距離感に影響します。

呼び方を統一していないと、“なんで自分だけ…”という意識が一部の生徒に芽生えてしまいます。不公平は教育において禁忌です。

しかし、一度呼び始めたら最後、途中で呼び方を変えるのは至難の業。生徒側も急に呼ばれ方が変わったら違和感を覚えますね。

りきち
私は未だに奥さんをさん付けで呼んでいます(笑)。

呼び名なんて、大人の間柄であればそんなに気にすることではありませんよね。大体名字にさん付けですわな。

しかし、小中学生とのやりとりであれば話は別。

毎日行く学校は非常に限られたコミュニティ。そして人生経験もまだまだこれからの小中学生にとっては、呼ばれ方ひとつであなたの第一印象が大きく関わってくるのです。

いざ学習塾を始めたあとに、呼び方でしどろもどろになっては相手に不安を与えてしまいますよ。

はっきり言って我々呼ぶ側のキャラクターや年齢によって変わるとは思いますが、ここでは私の意見を書かせていただきます。

名字で呼び捨てる呼び方。

「茂野!」

「佐藤!」

「米倉!」

名字で呼び捨てる呼び方。私の記憶では中学校に入るとそう呼び始める先生が多くなった気がします。高校でもみんな名字で呼ばれていたな。

学習塾の規模にもよりますが、名字で呼ぶのは明らかに生徒と距離ができてしまうと思います。特に小中学生相手では。

名字って、個人ではなく家族単位の記号みたいなものですからね。

社会に出て仕事を始めて、表面上の付き合い(失礼)をする相手ならともかく、これから共にがんばろうという生徒に対しては名字で呼び捨てるのは考えもの。

自分の子どもがそう呼ばれていると知った保護者はどう思うかなぁ。

名字で呼び捨てって、なんとなく冷たい気がしません?私だけ?

りきち
最近は名字の呼び捨てに慣れていない子が多く、抵抗がある子もいます。学校の先生方も気を使っているようです。

“~君” “~さん”をづけの呼び方。

「野比君。」

「源君。」

「さくらさん。」

「穂波さん。」

“君”や“さん”をつけて呼ぶ。比較的スタンダードな呼び方だと思います。

例をあげておいてなんですが、どうせこう呼ぶなら名字ではなく名前に“君”や“さん”をつけて呼んだ方がいいでしょう。

生徒の名前には、名付け親である保護者の願いが込められています。何より、名字とは異なりその生徒本人のみを表すもの。

それに“君”や“さん”といった敬称をつける。周りからみても、とても丁寧な印象になりますね。

りきち
ただ低学年の生徒や女の子ならともかく、身長180cm超えてきた中学3年生男子を“君”で呼ぶのもなんだかなぁ。

また学校によっては、男女問わずに“~さん”の呼び名で統一しているところもあります。男女差別の問題を意識してか、LGBTなどに配慮してなのかもしれません。

ただ個人塾がそこまで考慮できるかというと…難しいでしょう。保護者からの申し出があったら対処でよいと思います。

あだ名で呼ぶ。

生徒をあだ名で呼ぶのは絶っっ対にダメです。どんなかわいいあだ名でも絶対ダメ。

確かにあだ名で呼べばグッと距離は縮まるでしょうよ。しかしいくら親しみをこめたいしても、あなたと相手はあくまで先生と生徒。その線引きはきっちりとするべきです。

もちろん生徒全員にあだ名があるとは限りません。あだ名がない子はどうするの?となります。寂しい思いをさせてしまいますよ。

また何より、本人があだ名を気に入っていない場合もあり得ます。周りからしたらからかい半分のような。そうしたら我々も加担したことになり、生徒の心に傷を負わせてしまいます。学習塾の経営どころではなくなりますね。

あだ名はあくまで友人同士でのもの。師弟関係には適しません。

“きみ” “あなた”と呼ぶ。

「きみ、最近よくがんばっているねぇ。」

「あなたはこの問題わかるかな?」

たまにこう呼ぶ方います。特に年配の学習塾の先生。気を使っているのかもしれませんが、呼ばれる側にしたら名前覚えてないの?で終わりです。大事にされてないんだなぁと。

しかも、“きみ”と“あなた”って誰にでも使える言葉ですよね。面と向かってならともかく、問題を解いていたりしたら呼ばれたのが自分なのかどうかもわかりません。お互いいらぬストレスがたまります。

大学教授のように何百人相手に授業するんじゃあるまいし、固有名詞で呼んであげるべきでしょう。

下の名前は鉄則。男の子は呼び捨て、女の子はさん付けの呼び方がおすすめ。

私は正直に言えば、学習塾のアルバイトをしたときも大学卒業して勤め出したときも学習塾を開業したあとも、生徒をどう呼ぶかなんて考えもしていなかったですごめんなさい。

生徒を前に立ち、気がついたら、男の子は下の名前で呼び捨て、女の子は下の名前にさん付けで呼んでいました。

無意識にやっていたのですが、これ理にかなっているんです。

心理学的に、男性は「呼び捨てで距離感が縮まる」と考え、女性は「家族や親しい人間以外からは呼び捨てで呼んで欲しくない」と考えているのです。

りきち
女の子との距離感どうするのとなりますが、嫌な気持ちにさせるよりいいです。呼び方が全てではないですし。

どちらも呼ぶときは親しみをこめて、です。

もちろん、男の子の保護者と話すときは“○○君”と敬称をつけますよ。あくまで呼びかけるときだけが呼び捨てということです。

学習塾を開業して10年以上、それまでにも5年学習塾に携わってきましたが、この呼び方で問題になったことはありません。

むしろ教室に下の名前が飛び交うからでしょうか、

保護者
教室内がいい雰囲気ですね。

と言われることが多いです。やったね。

保護者にしてみても、自分が考えて我が子につけた名前で呼んでもらえているのは嬉しいのでしょう。

学習塾を開業すれば、その塾のトップがあなたです。トップが発する言葉ひとつで、教室の雰囲気はがらりと変わります。

私のおすすめは男子呼び捨ての女子さん付けですが、先に言ったように呼ぶ側の年齢やキャラクターにもよってベストな呼び方は異なるでしょう。

自分なりに納得して、自然体で生徒に呼びかけることはできるような呼び方を決めたいものです。

そして不公平感を持つ子がでないように、呼び方のルールを決めたら統一して呼びましょう。

ちなみに下の名前ばかりで呼んでいると…

保護者
○○(名字)です。今日少し熱があるのでおやすみします。

りきち
…?

保護者
あ、○○(名前)の母です。

りきち
おぉ~っと!具合大丈夫ですか!

呼ぶときは名前でも、フルネームをしっかり覚えておきましょうね(自戒)。

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