体験授業で大切なたったひとつのこと。

体験授業は無料?有料?期間は?

学習塾の検討がいい線までいっている家庭は、次は体験授業を受けてどのような学習塾か判断しようとする段階にいきます。

食べ物でいう試食みたいなものですね。ちょっと食べてみて美味しければ買う、不味ければ買わないと。

一昔前ならいざ知らず、現在ではほぼ全ての学習塾で体験授業が可能になっています。

これから学習塾を開業するのであれば、地域での実績はゼロ。教室内の様子もあなたの人柄も、周りの人は何も知りません。ホームページで写真を確認できても、実際の空気は直接来ないとわかりませんよね。

生徒保護者双方が入塾前に確認できるよう、学習塾を開業したら体験授業を実施するべきでしょう。

多くの学習塾は体験授業は無料で受けられる。

学習塾の体験授業というと、もはや“無料体験授業”と読み替えられるほど無料であることが一般化しています。

無料であることで問いあわせのハードルが下がり、自信のある授業を入塾候補の家庭に受けてもらう可能性が高まるというわけ。

私の学習塾は開業以来ずっと無料で体験授業を実施しています。

ただやってみるとわかりますが、体験授業の生徒を受け入れるって結構手間暇がかかるんです。

ほとんど初対面の生徒相手に授業をするための準備ですよ?性格も学力もわからない状態で、既に通っている生徒の準備の合間を縫って体験授業の準備をするんですからね。

りきち
もちろん事前に話をしますが、細かなところは直接見ないとわかりません。

体験授業は広告活動の一環であると考えれば、無料(こちらが費用を負担)であることに違和感はありません。体験授業がきっかけで入塾することもありえますから。大手などにしてみれば、説明会などと同じくくりなんでしょう。

しかし、個人塾は価格競争では大手に勝てっこありません。人手も資金も限られている我々は、体験授業の手間をどうとらえるか。

そして、どれくらいの期間体験授業を実施するべきなのでしょうか。

ぶっちゃけ、体験授業にくる時点である程度…。

私も開業当初は体験授業を長め(2週間)実施し、自塾の善し悪しを判断してもらっていました。

しかし、現在では体験授業を1回のみにしています。

なぜかというと、それなりに年数を重ねてわかったのは、

“体験授業にくる時点である程度入塾に気持ちが傾いている”ということでした。

気になるからデートに誘うし、気になるからデートに応じるんですよ。

それで楽しければゴールインですし、がっかりだったらそのままフェードアウトでございますね。知らんけど。

いくら必死に学習塾を探しているといっても、どんな学習塾でもいいという人はいません。ご飯食べたくてお店を探しているときも、看板やメニューを見ながら比べて少しでもひかれるお店に入るはずです。

つまり、体験授業の期間が長かろうが短かろうが関係ない。一回体験授業を受けてみて、あなたの学習塾に合うと判断した子は入塾するし、合わないと判断した子は入塾しないのです。

というか、下手に体験授業の期間を長くしても、合わない子はその間どうするのということになります。1回来て合わないとわかっているのに。

なまじ真面目な子ほど、合わなくても規定回数来るんです。真面目だから。でも結局入塾しない。合わないのに嫌々体験授業にくることに。

りきち
二回目でばっくれる場合もありますが、連絡くれないのでこちらも動きが取れないんです。次の子受け入れようにも、ひょっとして忘れてるだけかもしれないし。

例えばの話、体験授業を2週間実施している学習塾があるとします。あと一人中学生が入ったら満員になる状態だったとしましょう。

嬉しいことに中学生Aさんから体験授業の申し出がありました。2週間の体験授業のスタートです。

Aさんの体験授業が1週間過ぎた頃、もう一件中学生Bさんからお問い合わせが。でも今体験授業を受けているAさんが入塾したら満員になる。

さぁどうするかという話になるんです。

Aさんが入塾しなかったらと考えると断ったら損?保険をかけてBさんも体験授業受けてもらいます?でもAさんが入塾したらBさんの席はないですよ?体験授業受けたのに入れないとなればBさん家庭は怒りますよ?

じゃ、Aさんが入塾しなかったらBさんに連絡するとかはどうでしょう。…体験授業を受けたのに入塾しなかったという、学習塾として不名誉なことをBさんに伝えるんです。Bさんどう思いますでしょうか。Aさんが入塾したらしたで、Bさんに断りの電話を入れなければなりません。散々待たせておいて、ダメですと。

経験ある方多いかもしれませんが、人の動きには波みたいなものがあるんです。来ないときは来ないくせに、来るときはまとまってくるんですよ。

りきち
郵便局に荷物を受け取りに行くと妙に人がいっぱいなときあるじゃないですか。ちょっと経つとがらがらになるのに。不思議だねぇ。

あまり体験授業期間を長くすると、我々学習塾の側にしても動きが取れない期間が長くなってしまうのです。お互いのためにならないですよね。

もちろん開業当初は満員なんて夢物語ですから、サービスみたいな形で体験授業を長くしてあげてもいいでしょう。ただ、折りをみて期間を縮めていくことをおすすめします。

りきち
私の塾は現在体験授業が1回のみですが、最初は体験授業は2週間無料でした。なので、それを理由に現在入塾を決めたあとの2週間分は授業料を無料にしています。こっそりね。

要するに、入塾するかどうかの結論を早くはっきりさせるべきなんです。お互いのために。

なので、入塾を決めたあとであれば多少のサービスはいいかなぁと。利益どうこうではなく、結論を早く知るために1回にしているので。

恐ろしいのは、学習塾ジプシー族。

学習塾を考える家庭の中には、ジプシー族と呼ばれる人達もいます。思いっきり俗称ですけども(笑)。

りきち
ここでいうジプシーとは、ヨーロッパの移動民族のことです。

学習塾ジプシー族。もう想像つきますますかね。あっちの学習塾へ行っちゃあ辞め、あっちの学習塾に行っちゃあ辞めをくり返す家庭です。

りきち
私が学習塾に勤めていたときは、8ヶ所の学習塾を転々としてきた家庭がいました。…正直、それをよく面談で私に話してくれたと思います。

ジプシー自体は考えようによっては別にいいんですよ。成績あがるかどうかは別として、自分に合う学習塾を徹底的に探しているともとれますから。いろいろ選択できるのは消費者の権利ですしね。

問題は、無料体験授業のジプシー族です。

学習塾が少ない地方ならいざ知らず、都市部であれば生徒の通塾圏内にかなりの数の学習塾が存在します。

しかも、大手によっては“夏期講習無料!”なんてのも実施してます。1ヶ月くらい無料ってことでしょ。すげぇな。

つまり極論、無料体験授業を転々とすれば、1年くらいだったらお金を払わず学習塾に通えるのです。

正直私の感覚からすればありえないですけれども、世の中は広いものです。実際いるんですよ。無料体験授業ジプシー。

だってまぁ理屈的には可能ですもん。別に法律に違反しているわけでもないし。

…ただ成績があがるかどうかは別ですよ。というかそんな短期間で学習塾を替えていては、どう考えても成績をあげるのは無理だと思いますけども。

でも、学習塾に通えばすぐに成績があがると思っている家庭もいるのです。そして、手間かけて転々としてまで学習塾にお金を払いたくない。

私は個人的にそういう家庭は対象としたくありません。

あまり無料体験授業の期間を長くすると、つけ込まれかねないということも覚えておいてください。善意で超大盛りを無料サービスをしていた定食屋さんが、そのサービスをやめざるを得なくなることも記憶に新しいです。

だからできるだけ無料って避けたいのよね。

思い切って体験授業を有料にする勇気。

無料体験授業という言い方があるのですから、もちろん中には体験授業を有料にしている学習塾もあります。私の知る限りでは数ヶ所ですけど。私の目からしても“体験授業は有料です”の文言はかなり目立ちます。

りきち
もう雲の上の存在ですわ。

目立つと言うことは、それだけ宣伝になるということ。地域で一ヶ所だけであれば、おのずと話題に登ります。

保護者
体験授業にお金がかかるんじゃねぇ…。

と考える家庭はこなくなりますけど、反対にお金を払ってでも体験授業にくる家庭は相当な覚悟をもって学習塾を検討しているとも考えられます。

保護者
体験授業でお金をとるなんて、かなりの自信がなければできない芸当だわ!これは気になる!

となればいい宣伝効果になります。無論、求められるハードルはあがりますがね。結果“有料にするだけのことはある!”と思ってもらえれば、素晴らしい口コミのできあがりです。

とはいえ、の学習塾では有料体験授業は実施していません。えらそうに文章書いていますが、そんな度胸はない(笑)!…そこまでできれば理想なんですけどねぇ。

体験授業を有料にしている学習塾の方に話を聞くと “しっかりとした仕事をして、真剣に学習塾を考えてもらうため” に有料にしているとのこと。

りきち
無料にすると保護者に真剣味が足りなくなると、実体験を踏まえて話してくれた先生もいます。ジプシーもいるしねぇ。

言われてみれば確かにそうなんです。

“無料=手を抜く”ではないにせよ、“有料=プロの仕事”ですからね。有料にすることで、無責任なことができず、お互いが緊張感を持って接することができます。

無料じゃないから体験授業を受けないというのなら、最初から来てくれなくて結構。

体験授業を有料にしている学習塾の先生は、そういった考えを持っています。自信と経験のなせる技。もう職人ですね。すごい。

もちろん有料も無料も、双方メリットデメリットはあるでしょう。どちらが正しいということはありません。同じ学習塾畑の人でも、価値観は全然異なりますから。

1から学習塾を開業するのであれば、全てを自分の価値観に基づいて作りあげていくことになります。

体験授業が有料の学習塾もあると知っておくことで、考えの視野が広がりますよ。…事実私知らなかったですし。

体験授業のコツ?気をつけたいのは“名前を呼ぶ”のひとつだけ。

体験授業、それは言うまでもなく生徒とのファーストコンタクトです。

事前に面談をする場合にしても、保護者付きですからね。面と向かっては事実上体験授業が最初になります。

便利な世の中で、体験授業のコツみたいなものは調べればいくらでも出てきます。

“わかりやすく楽しい授業を心がける”

“コミュニケーションを密にして心をつかむ”

“しっかり褒める”

などなど。はいはい、なるほどね。

こんなの当たり前じゃないか?と思いませんか?

わかりやすいとか褒めるとか、体験授業で意識することじゃないと思います。

だって、普段の授業からそうしているでしょう。

普段の授業でしていないことを体験授業ですることは、既に通っている生徒達に対し失礼です。

在塾生にしたら日頃は全力じゃないのかとなりますからね。そして、体験生にしても入塾したら手を抜かれたと思われておしまいですね。

では、体験授業で何を気をつけたいのか。

体験授業生に名前で呼びかける

私個人の意見では、これが最重要だと思います。

当たり前ですけど、体験授業できた子にとってあなたの教室は完全にアウェーな場所なんです。

机も椅子も慣れていないし、普段話した事のない人もいるし、他の学校の見たことない人もいるかもしれません。

そして、何よりあなたと在塾生は親しげな間柄。今日学校がどうだったなどと雑談もできます。体験授業生のほとんどの子がアウェー感を感じて当然なんです。

そんなとき大切なのが、名前を呼んで話しかけること。ただ話かけるよりも相手方の安心感が格段に変わります。

りきち
○○さん、ここまではわかりそう?

りきち
○○君、いい字書くね。読みやすいよ。

りきち
○○さん途中式の書き方が丁寧でいいなぁ。

もうね、なんでもいいんです。とにかく名前を呼んであげることを意識する。

名前を呼ばれることで緊張がほぐれます。みんなが呼ばれてる中で、自分も呼んでもらえる。うまく言えませんが、初めてきた教室の中で存在を認めてもらえたような感じになるんです。名前って、自分固有のものですからね。

既に通っている生徒と異なり、体験授業生は我々の側も名前を知ったばかり。意識して呼びかけてちょうどいいくらいなんですよ。

りきち
○○君今日は本当によくがんばったね。よかったらまたいっしょにがんばろうね。

名前を呼ぶ。それだけで距離が縮まって、いい感じで体験授業を終えることができると思いますよ。

体験授業後の勧誘はNG!期間を決めて連絡を待つ。

さぁ体験授業が終わりました。いい仕事しましたね。

かつて私が学習塾に勤めていた時代では、ここから入塾にもっていくための勧誘作業(クロージング)があったんです。もうね、私はこれが嫌で嫌で仕方ありませんでした。

りきち
このことで何度上司とぶつかったか…。

体験授業を受けたあとならば、あなたの学習塾に合う人は何もしなくても入塾しますし、合わない人は絶対に入塾しないんです。

要するに、体験授業後の勧誘なんて、あなたの学習塾に合わない人を無理に入塾させるための手段でしかない。目先の利益を考えればいいのかもしれませんが、どう考えても悪手です。

体験授業を受けたら無理矢理入塾させられたなんて噂が広まれば、誰も近づいてくれなくなりますね。廃業まっしぐらですよ。

私は体験授業後は一切勧誘しません。冷たいくらい勧誘しないです(笑)。

りきち
今日から1週間は席を空けておきます。よろしければご連絡ください。ご連絡がなければ再検討かなと判断致しますので。

ホームページにも、勧誘は一切しませんと明記しています。それで今まで何の支障もありません。本当に入りたい家庭だけが来てくれて、むしろいい流れができています。

“体験授業 勧誘 しつこい 断り方”なんて検索ワードも出てくるご時世ですよ。だったら開き直って一切勧誘しない方がよさそうと判断しました。

りきち
そもそも私は勧誘されるのが大嫌いなので、それを他の人にするのも嫌です。己の欲せざる所は人に施す勿れ。

学習塾は入塾決めてはい終わりではないのです。その後卒業まで何年も付き合いが続いていくんですよ。文字通り人と人との付き合いが。

そう考えると、生徒も保護者もしっかり納得した上で入塾しますと連絡をもらいたいですよね。こちらのホームである教室で面談して決めてもらうなんてもってのほかです。

体験授業後は、期間を決めておいて連絡を待ちましょう。家で十分に話し合ってもらえばいいんです。

家で話す時間を多めにとることで、体験授業の様子が事細かに保護者に伝わります。連絡をもらったときに保護者とその話をすることで、あなたの学習塾に対する理解を深めてもらうこともできますね。

気軽に問いあわせができる学習塾となれば、今後のために様々な種をまいておくことができます。信用が大切な学習塾、風通しがいい対応を心がけたいですね。

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