
目次
週一回の通塾という選択肢は最初から作らない。
週一回授業を受けるだけという選択肢は絶対に作ってはいけません。先にそれだけは言っておきます。
主に個別指導や自立指導で作りやすい選択肢ですが、集団指導などでも“一科目週一回から”などとやろうと思えばできてしまいます。
大手の個別指導の塾などでは “週一コマ(50分)~” と週一回の通塾が選択できるところもありますよね。
これから学習塾を開こうとしているあなたは、これを見てどう考えますか。手軽に通えていいなぁとか思います?
そもそも、本気で学力を上げたいと思っている家庭が週一回で学習塾に通うと思いますか?
例えばですよ。
ダイエットを目指している人がいます。自宅じゃなかなか痩せられないけども、本気で痩せたいから週一回ジムに通うことにした。
…本気とは?ってなりません?
そもそも成績があがらない。
学力は勉強量に比例します。生徒が教室へ来てこちらが勉強を指導する以上、成績を上げるにはそれ相応の通塾回数が必要になりますよね。
保護者が自分の子どもを塾へ入れる目的、それは自分の子どもの成績を上げるためです。
学校は一日で約5時間授業があります。一週間(5日間)で25時間授業です。
体育や音楽などを抜いても、一週間で17,8時間は学校の座学。
主要五科目であれば、一週間に3,4時間は授業があるわけです。
例えば塾では週一回授業だから、数学一科目に絞って指導をしたとしましょうか。
学校では一週間で四日分授業が進むのに、学習塾で指導できるのは一日。
どう考えても無理でしょ?週一回の授業で成績を上げるのは不可能ですよ。少なくとも私にはとても無理です。
とはいえ、選択肢として用意してしまうと必ずそれを選択する人が出てくるのです。
で、結局退塾する。週一回の子は退塾しやすい。
その結果、
“(週一回)塾に通っているのに成績が上がらない”
→“塾を辞める”
→“あの塾へ行っても成績が上がらなかった”
はい、美しい流れの完成です。
週一回だから仕方ないとは辞めた家庭は思いませんし、思っていたとしても口にはしません。成績があがらなかったという、マイナスの噂が広がってしまいます。
こちら側からみれば、週一回の授業でもなんとかしようと一生懸命指導したのに…となります。ですがお金を払っている保護者の側からすれば、少しでも成果が出ないのであれば見限って当然なのです。
もう、誰も得しない。
であれば、成績をあげることができない選択肢は用意しない方がお互いのためになる。
しかも週一回だと生徒と顔を合わせる機会が少ないですよね。信頼関係もなかなか構築できないのです。
あまり特別扱いすると今度はえこひいきと言われてしまいますから。
その結果、簡単に退塾してしまうのです。
週一回の子が通塾回数を増やす?ないない。
私も開塾当初は週一回の選択肢を作り、
なぁんてことを考えていました。甘っちょろいなぁ。
まぁ事実、少しして授業数を増やしてくれる子もいましたよ。
しかし、少ない回数で入塾した生徒がその後に通塾回数を増やす可能性は低い。その前に成績があがらないと退塾していきます。もちろん私の指導が悪かったのかもしれませんけれど…。
やる気があるのであれば、最初からそれなりの回数塾へ来ますよ。
それは紛れもない事実です。
あなたの学習塾が対象とする学年によって、生徒が卒業する時期は容易に計算できますよね。つまり、生徒が塾に通ってくれる期間は非常に限られているんです。
そんな貴重な期間を、成績があがらない通塾でつぶしてはお互いがもったいないと思いませんか。
成績があがる通塾回数を最低ラインに。
部活や学習塾以外の習い事の都合に合わせやすいように、あるいは開塾すぐだからみんなに来て欲しいと、入塾の門戸を広くしたい気持ちはよくわかります。
実際私もそうしていましたからね。
ただし、だからといって通塾回数の最低ラインを低くするのは、最終的に自分で自分を追い詰めてしまうことになりかねません。
むしろ、開塾してすぐに来てくれた生徒の成績があげられなかったとすれば、悪い評判が定着してお先真っ暗です。
自分が教える学年や教科、対象とする学力レベル、自分自身の技量や経験から、これくらい塾へ来てくれればなんとか成績をあげられるという回数を最低の通塾コースに設定するべきです。
松・竹・梅と高い順にコースがあれば、最初はだいたいみんな竹か梅を選びます。梅を選ばれても成績があがるようにしておくのが、お互いのため。
その梅コースを基準に、より多く通えるコースを授業料を上げながら設定しておくのです。週一回の選択肢は作らないとはいえ、選択肢自体は多くある方があなたの塾に関して考えてもらえる時間が増えます。
そうすれば、よりやる気のある子に対応できます。より多く通えるコースへ通っている生徒の成績がどんどん上がれば、通塾回数が多いコースの生徒が増えていき、客単価も高くなっていきます。
生徒は成績が上がり、こちらも収入が増える。素晴らしい関係だぁ。
学習塾の場合は成績をあげるいう明確な目的があります。
あなたは確実に成績あげることができる商品を設定する。
それに納得して費用を払う保護者が入塾を検討する。
お互いにとって有益な関係を築きやすいと思います。
学習塾に通うことが目的ではなく、成績をあげるために学習塾へ通う。そのことを忘れないようにしてくださいね。