学習塾用テナントを選ぶ際の必須ポイント。

テナント、どうしよう。

“どこに” “どのような”テナントを借りて教室を構えるかは、最重要の課題です。
授業が始まってからは、おいそれと引っ越しはできません
では、どのようなテナントを借りるのがベストでしょうか。

私が経験から申し上げれば、借りるテナントのポイントは次の4点です。

1階であること

道幅が広く、近くに車が待てるスペースがあること

周辺に子ども達がいて、教室に通いやすいこと

事務所の居抜き物件であること

では、ひとつずつ説明していきます。

1階であること。

1階の物件は教室として強いですよ。

テナントを探していると、1階以外のテナントの方が家賃が安くて魅力的に見えます。初期費用は抑えたいので、2階3階のいい感じのテナントはとてもきらきらして見えます。わかりますよ。

ただ、他を多少削ってでも1階に教室を構えた方がいいです。メリットがたくさんありますよ。

まず、1階であれば教室が道行く人の目につき、広告効果があります。

ここで質問。いつも歩いている道にある建物、その2階3階はどのようなお店が入っているか頭に浮かびますか?

りきち
1階がどんな感じかならわかるけど…2階は何があったっけかなぁ。

こういう人、多いと思います。

学習塾の開業後は、とにかく周囲に認知してもらう必要があります。

周りから見える場所に教室があるというのは、それだけで広告効果があります。ポスターや無料体験のお知らせなどを掲示しておけば、1階なら自然と道行く人の目に入ります。

普段の生活で目につく場所に教室があれば、折り込みチラシを見たときに、

保護者
あぁ、いつもの帰り道にできたあの学習塾ね。

となって気にとめてくれやすくなります。

保護者の間であなたの塾の話題に出たときも、場所のイメージがしやすいですよ。

また、教室の前にパンフレットを置いておけば、1階であれば簡単に手にとることができます。

厳しい言い方になりますが、2階3階にまであがって教室の入り口にあるパンフレットを持っていくという人は、まずいませんっ。

りきち
借りたのは2階のテナントでも、1階の入り口にパンフレットや看板を置くのはOKみたいなこともあります。

しかし、自分が2階にいて1階に何か置くのは…私は神経使っちゃいます。風で飛んだり何かで倒れたりしてもわからないので、すぐに対応出来ないです。なんかトラブりそう。

しかし、1階であれば教室内と外側、お互いが見えるのです。安心感がありますねぇ。

教室内が外から見えるというのは、生徒保護者双方に安心感を与えます。

基本的に、生徒は一人で教室へ入ってくることになります。2階以上の場合は建物共有の階段をのぼることが多く、おとなしめの子は体験授業の段階でがっちがち。

1階であれば、生徒がきたらこちらから声をかけて迎え入れてあげることができます。印象いいなぁ。

保護者の側にしてみても、子どもを塾へ行かせるということは、いわば密室に自分の子を預けることになるのです。気軽に教室内が見えれば、それだけで安心感が増します。

りきち
1階は地震や火事の際にもすぐに避難ができます。せっかくなので、ホームページにそのへん載せておきましょ。

そして、自転車整理整頓問題。

生徒の多くは自転車で学習塾へ通います。

一日に何人生徒がきて、その自転車を何台置いておくのか考えてみてください。妄想でいいから。

当然一台二台では済まないですよね。

学習塾を開業する場合、授業のあいだ自転車をどこへ置いておくかha

頭の痛い問題なのです

りきち
必ず、テナントを借りる前に共有部分や自転車を置いていい場所を不動産屋さんに確認してください。

2階3階の場合、教室から生徒達の自転車を見ることはできません

本来置いてはいけない場所に駐輪していたり、乱雑に自転車がとまっていたりしたとしても2階3階の教室内から1階の外の様子はわからないのです。

1階部分の人や通行人からの苦情の電話が入り、そのときに初めて知ることに。

りきち
生徒のマナーについての苦情は、学習塾としてのイメージにかかわってきます。

定期的に自転車を確認するにしても、頻繁に教室を抜け出すのもそれはそれでどうかと思うの。

1階が教室の場合、あなたがいるすぐ近くに自転車をとめることになります。教室内から駐輪場所が見えることが多く、自転車の確認や置き場所の指示がしやすいのです。

また、自転車に関して余談です。

その塾に子どもが何人くらい通っているか、というのは周りから見ただけではわかりません。

保護者
新しく塾が出来たけど、ここ生徒がいるのかしら。

しかし、1階に教室があれば、教室の近くに自転車がとまることになります。教室の前に自転車がたくさん置いてあれば、とても繁盛している塾に見えます。

教室の真ん前に自転車が見えることによって、生徒がいてしっかり授業をしていると客観的にわかるのです。

りきち
新規開校して生徒が0人でも、ダミーの自転車を教室の前に置くという人もいるそうです(笑)。

道幅が広く、近くに車が待てるスペースがあること。

自転車で来る生徒がほとんどといっても、雨が降った場合や遠方の子は保護者が車で送迎します

こちらの授業も時間きっかりに終わるとは限りませんし、ほとんどのお迎えの車は時間より早めにきて待機しています。

教室付近に十分なスペースがないと送迎の車で大渋滞が発生します。近隣の方に迷惑がかかってしまいます。イメージがよろしくなくなります。

りきち
教室前に車3台並んで止まっていると、結構周りは結構邪魔に感じます。

テナント付近の駐車場を借りるという手もありますが、ちょろっと借りても焼け石に水。固定費を考えると得策ではありません。

対向車がすれ違えるくらい教室前の道幅が広いこと、あるいは近くに車が待てるようなスペースがあることもテナントを選ぶ際の検討事項です。

もちろんどのような場所に教室をかまえるにしても、入塾のお知らせなどで送迎の際のルールを明記(アイドリングはやめる、どこで待っているか子どもに伝えておく等)しておくことも大切です。

送迎車が待機できる場所の地図を入塾資料に載せておくと親切ですね。

また、ひらけた場所は人通りのない場所に比べて子ども達も安心です。道幅が広ければ、自転車と自動車の接触事故の可能性も減りますよね。

通塾中のトラブルは塾の側で対処するにも限界があります。事前にできる限りのことはしておきたいです。

りきち
大きい声じゃ言えませんが、遅くまでやってるスーパーやドラッグストアがあると保護者がお買い物ついでに送迎できますねぇ。

周辺に子ども達がいて、教室に通いやすいこと。

教室を開くのであれば、できるだけ学校から近い場所をおすすめします。これはいわずもがなですね。

りきち
私の塾では学校から直接教室へ来る子もいます。部活後でも、結構早めの時間から授業ができますよ。

また、学校があるということは近くに子どもがいる家庭が多くいるということを意味します。

子ども達が通ってくれて塾が成り立つのですから、塾の周りに住んでいる子どもは多い方がいいに決まっていますね。

子どもがいないところに学習塾作る変人はいないでしょ。いたらごめんね。

りきち
ちなみにインターネットなどで学校の生徒数を調べれば、その地域にどれくらい子ども達が住んでいるかわかります。

↓ここのサイトが便利です。

学校教育情報サイトGaccom

また学校の近くであれば通学路にもなるため、毎日学習塾の看板が子ども達の目につくのです。言うまでもなく、いい宣伝になります。

そして忘れてはならないのが、周辺の環境。

テナントの周りに、保護者が子どもを近づけたくないタイプのお店(パチンコ店やお酒を提供するお店など)があったら一発アウトです。候補から外しましょう。

基本的に子ども達が塾へくるのは学校が終わってから。つまり日が傾いてから塾へくることになります。

テナントの内見は昼間だけではなく、生徒が通う時間帯にも必ず見てください。

りきち
昼間はわからなくても、日が落ちると意外と暗い道だったなんてことも…。

もっとも学校の近くであればある程度環境は整っていると思います。その意味でも、近くに学校があるのはいい指標になりますね。

事務所の居抜き物件であること。

居抜き物件って聞いたことありますでしょうか。

簡単にいえば、前に借りていた人が整えた設備がそのまま残っている物件です。

飲食店などを開業するときによく使う手です。何もない状態からキッチンだ冷蔵庫だと用意すると莫大なお金がかかりますからね。

学習塾の場合、適当な事務所やオフィスの居抜き物件であればベスト。

元々が事務所やオフィスであれば、天井や壁紙も無難な白のことが多い。

つまり、机や棚を運び込めばそのまま学習塾が始められるのです。初期費用が安くて済みます。

りきち
天井や壁紙が奇抜な色だと、それを手直しするにもお金がかかります。特に天井紙の張り替えは高いですよ。

さらに、エアコン問題。

家庭用エアコンでなんとかなる広さならまだしも、業務用のエアコンを買ってつけるとなると30~40万円かかります。高価ぁ。

しかし元事務所であれば、エアコンが最初からついている(残してくれている)ことが多いのです。業者に清掃は頼みたいものの、買うよりはるかに安上がりです。

このエアコン付き物件を狙っている方へアドバイスをしておきます。

「もしもこのエアコンがちゃんと稼働しなかったら、替えて欲しい。」

テナントの契約をする前に、大家さんと交渉してみましょう。

借りてからエアコンが使えなかったなんてわかった日には、結局自分でエアコンを調達することになります。エアコンが壊れてても、撤去にお金がかかるからそのままなんてこともありえます。

「初期費用を抑えたく、エアコンがついていることを理由にこの物件に決めたい。もしエアコンが稼働しなければ大家の方で替えてくれ。」

大家としても、空室にしておくよりは…と交渉に応じてくれる可能性はあります。エアコンはダメでも、初期費用や家賃の値下げを考えてくれるかもしれません。

りきち
もちろん、角が立たない言い方で交渉してね。

管理人りきち的まとめ。

1階であること

道幅が広く、近くに車が待てるスペースがあること

周辺に子ども達がいて、教室に通いやすいこと

事務所の居抜き物件であること

もちろん、これら全てを満たす物件はなかなかないでしょう。

しかし、教室は人が通う場所。テナント選びも成否に影響を及ぼすことは間違いありません。

さらに自身の理想の教室像もあると思います。

ただ、理想の教室は自分の学習塾に生徒が集まってから目指せばいい。

りきち
最初から全て完璧でスタートは無謀です。少しずつ理想に近づけていくのです。

何よりも、まずは自分が学習塾を開く地域での実績作りです。

地域のみなさんに認められれば、あとはどうとでもなります。その反対も然りです。

まずは、実際に不動産屋さんに足を運んで直接話を聞いてみてください。

また、自分が学習塾を開きたい周辺を自分の足で練り歩いてみましょう。

足で稼ぐというと古い考えに聞こえますが、まだまだ活かせる考え方です。インターネットでは見つからない掘り出し物も発掘できますよ。

私もテナントを探して街中を歩き周りました。ここだ!と思って問い合わせてみたら、そのテナントは検索には引っかかるものの、明日詳細を掲載予定だったとのことでした。

りきち
インターネットには駅徒歩何分の情報と地図だけで、外観画像などの詳細はまだない状態でした。“coming soon”みたいな感じで。
あと一歩遅ければ、誰かに先に契約されていたかもしれません。

特にテナントは開業について一番費用がかかる部分です。手をこまねいているだけでは、満足のいく成果は得がたいですよ。

自分が動くのは無料です。とにかくテナント探しは自分の足で実際に動くこと。生徒に足を運んでもらう教室になる場所ですからね。生徒の立場にも立てますよ。

先の条件もそうですが、自分が“妥協してもかまわない条件”と“譲れない条件”を書き出し、判断基準を明確にしましょう。

もしその基準に合致した物件があれば、即実績作りのスタートです。根気強く探せば、あなたの希望に合う物件はちゃんとあります。

不思議なもので、どんどん行動している人のところには色々なご縁が舞い込んでくるもの。

先延ばしにせず、気になったらとにかく問いあわせ。その方がストレスも少なくなりますよ。

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